アーティスト:照屋 光
素材:ガラス
制作年:2021/01
作品サイズ:高さ:140mm 奥行き:110mm 横幅:110mm
吹きガラス制作をしていると、技術的な問題で割れてしまったり、出来上がっても納得いかず廃棄のために割ったりということがあります。
割れた吹きガラスのエッジには、割れたラインそのものの魅力と、無くなった部分にそこにかつてあった輪郭を想像させるふしぎな魅力があります。
そして外殻を失い内部が露出することは、秘密を覗き見た様なドキドキを感じさせます。
「内側と外側」その隔絶された感覚を重きにしていた頃は、その美しさを感じながらも割れた形を含めて作品とすることを、許さない自分がいました。
それは自分の感情を内側に閉じこめたままでいたい、自分の内面を外に出すのが怖い自意識と重なるようでもありました。
また、吹きガラスにおいて 割れ=失敗 という感覚が強いのも割れた状態を活かした作品作りを自分に認めない理由のひとつでした。
次第に自分の内面を見つめることが出来る様になるのと呼応する様に、割れた状態の形でも美しいのであれば、それは形にしても良いのだと思うようになりました。
自分の中に感じた「割れたガラスのもつ美しさ」を認め、閉じこもって固まりきった自意識の殻を破ってできたのがこのシリーズです。